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2023.7.30開催「『永遠の少年』×『自己愛構造体』  〜フォン・フランツとメラニー・クラインの出会い〜<Zoom>  [2023年07月04日]
2023年7月30日開催
「『永遠の少年』×『自己愛構造体』
 〜フォン・フランツとメラニー・クラインの出会い〜<Zoom>
主催:インスティテュート・オブ・プロフェッショナル・サイコセラピー(IPP)
 
●このような方へお薦め
人の可能性や命の開花、成長、成熟、変容に興味のある方
  
 
プロセスワークの日本の第一人者である富士見ユキオ先生と岸原千雅子先生が開催する専門家向けのセミナーのご紹介です。
心理臨床のスキルUpを考えている方にはお薦めのセミナーです。
 
参加を希望される方は、直接主催者へご連絡ください。※ご参加を希望される方は必ず詳細をご確認ください。
 
_____
       主催者からのメッセージ   _____
 
1)今月のテーマは、「永遠の少年」と「自己愛構造体」です。
「永遠の少年」病理の中核は、自己愛性パーソナリティ障害(NPD)です。
そしてNPDの理解には、ポスト・クライン派の「自己愛構造体」が有益です。
 
2)永遠の少年(puer aeternus)は、「チューリッヒ湖畔の魔女」と呼ばれたユング派のマリー=ルイーズ・フォン・フランツによって、よく知られるところとなりました。
自己愛構造体(narcissistic organization)は、「小さな黒猫」と言われたメラニー・クラインの系譜から生まれました。
セミナーのもう1つのテーマは、魔女と小さな黒猫との出会いです。
 
3)永遠の少年は、年を取らず〜いや取れず〜永遠に若くて美しい。
そのイメージに魅かれる人は少なくありません。
しかし、永遠の少年に捕えられたら最後、その人は今この瞬間を生きることができません。
 
いくつになっても「少年/少女のまま」で、その人には過去も、未来も、そして今も、なくなります。
現実の時間を生きることなく、少年性を夢見ます。
人生が積みあがらず、歴史が生まれません。
年齢に関係なく、若さを追い求めます。
 
4)「永遠の少年」と聞くと、肯定的イメージを浮かべる人が少なくありません。
しかし、そのマイナス面、病理面に着目して、私たちを驚かせたのが、A.ミンデルの教育分析家で、ユングの心理錬金術が生まれる際の片腕であった、フォン・フランツです。
また、ユング派の発達心理学の大家、E.ノイマンの見解も、大変参考になります。
 
5)2人によると、永遠の少年にとりつかれた人間は、「心理的」「主観的」に年を取ることができません。
肉体は衰えていっても、心はいつまでも青くさく、若作りを止められません。
極端な場合には、肉体の老いを許せず、「自死」を試みるケースさえあります。
あるいは、「まだ若い」と思っていたら、「あっという間に、急に、老いていた」〜「若さ」と「老い」との『間』の抜けた〜浦島太郎状況に陥りかねません。
 
6)または、いくつになっても自分は若いと思っているため、あるいは心の一部が永遠の少年的であるため、いつか必ず『青春』を取り戻せると、心のどこかで妄想していたりします。
この妄想は、深層心理学的には、「魂」からの内的要請、あるいは目くらましによるものです。
が、当人はそのことについて、まったく知りません。盲目です。
 
7)なぜ、人は、「若さ」や「青春」への妄想を抱くのでしょうか?
フォン・フランツやノイマンによると、その人の深層に、永遠の少年という『元型』が宿るからです。
元型には、スピリチュアリティと精神病とが混在します。
それは、妄想を抱かせる絶大な力を持っています。
人を自死に追い込むヤバイ魔力を秘めています。
 
8)永遠の少年は、ユング的には「男性のシャドウ(影)」であり、「女性のアニムス(内なる男性性)」です。
シャドウであったり、アニムスであったりする永遠の少年に、時に、人は捕まり、憑依され、魅了され、人生を浪費させられます。
ひどい場合には、何年、いや何十年にもわたって、「心」を乗っ取られます。
 
9)永遠の少年は、「不変の若さ、強さ、美しさ、可能性、創造性、能力」を持っています。
が一方で、その能力に対して、鼻持ちならない慢心、過信、傲慢さを抱いています。
自分を客観視する能力を欠き、神にも負けぬ「完璧さ」「完全無欠さ」を持っている、と誤解します。
そして、自らの若さ、強さ、美しさ、可能性、創造性、能力に、溺れてしまいます。
 
10)ギリシャ神話に登場する「イカロス」が、その典型例です。
イカロスは、蜜蝋で固めた翼によって、自由自在に飛翔する能力を手にします。
しかし彼は、自分の能力を過信し、太陽の高さにまで飛んでいける、という思いに駆られます。
父親ダイダロスの忠告があったにもかからわず、イカロスは、この思いを抑制できません。
 
そして、太陽神へ—リオスに向かって飛んでいきます。
すると蜜蝋が太陽の熱で溶け、翼を失います。
最後には、墜落して死んでしまいます。
永遠の少年は、基本的に「死」に近いところにいて、亡くなるケースもままあります。
 
11)永遠の少年は、外からは若さ、強さ、美しさ、可能性、創造性、能力にあふれているように見えます。
だからといって、「心」が豊かであったり、柔軟であったりするわけではありません。
なぜなら、永遠の少年の基本的特性は、「個人的な心、あるいは自分自身のもの」ではなく、個人的な心を超えた「元型」の働きだからです。
そのため、能力や才能を持っていたとしても、当人は主観的に、死ぬほどの苦悩を抱えていたりします。
 
12)さて、フォン・フランツやノイマンによると、永遠の少年は、グレートマザー(太母)の「永遠の良い子」です。
グレートマザーに対する「最大の裏切り」は、少年の『成長』であり、「大人になる」ことです。
ノイマンの著書には、成長しようとする永遠の少年を、頭から『喰らい、呑み込み』、無にしてしまう(我が子を殺してしまう)凶暴なグレートマザーについて、詳しく述べられています。
喰らい、呑み込まれないためには、少年は、『永遠のマザコン』でなければなりません。
(注:なぜ、永遠の少年の成長が、グレートマザーにとっての裏切りなのかについては、セミナーで学びます)
 
13)「マザコンの永遠の良い子」は、小生意気で、口がうまく、偉そうなことを吹聴します。
小ずるくて、行動の伴わない「内弁慶的」NPDです。
「モラトリアム人間」の典型です。
モラトリアム人間は、ありもしないことを夢見て妄想に耽(ふけ)ることを好み、現実的なことを嫌悪、回避します。
モラトリアムを許容してくれる空間〜たとえば家庭や学校や飲み屋〜では大威張りですが、社会的空間では「委縮」します。
 
14)NPDは、6月セミナーで扱ったBPD(境界性パーソナリティ障害)と同様、心が割れている(splitting)点に、特徴があります。
しかし、BPDに比べて、NPDの方が、揺らぎが少なく、心が「固定化」されています。
その背景に、「自己愛構造体」があるからです。
 
15)自己愛構造体は、「精神病水準」に落ち(退行し)ないように、また「神経症水準」そして「健康」に向かって成長しないように、『心』を捕え、幽閉し、固めるメカニズムです。
自己愛構造体は、心を「理想的でイケてる私」と、「恥ずかしくてミットモナイ私」との2つに割り(split)、自分は「理想的でイケてる『永遠の少年だ』」と思わせます。
これは、顕示型自己愛です。
 
16)一方、自分の側ではなく『あなた』の方が、「理想的でイケてる永遠の少年だ、少年でなければならない」と思い込むのが、隠れ型自己愛です。
「恥ずかしくてミットモナイ私」の中に幽閉され、固まっている隠れ型NPDも少なくありません。
 
17)NPDのインフラ(基盤)は、「自己愛構造体」です。
しかしNPDの心は、この基盤に気づくことはできません。
それは、魚にとっての水のようだからです。
魚が水の存在に気づくことがないように、NPDの心は、基盤としての自己愛構造体を意識化できません。
 
18)サイコシンセシスのR.アサジオリは、自分が盲目的にハマっている(同一化している)インフラに、人は、捕まり、拘束され、固められ、振り回される、と述べました。
この盲目的同一化からの解放と自由(=脱同一化)が、セミナーの重要なテーマの1つです。
問題は、ハマっている「自己愛構造体」や「永遠の少年元型」の中身です。
 
19)クライン派のH.ローゼンフェルドによると、自己愛構造体は、マフィア、暴力団、無法者、暴走族といったイメージで表されます。
一方、永遠の少年は、マフィア、暴力団、無法者、暴走族をテーマとした映画や物語にしばしば登場し、光り輝き、また活躍します。
が、それこそが、永遠の少年の問題です。
映画や物語で、永遠の少年は、しばしば死を迎えるからです。
イカロスのように。
この点については、セミナーで、ていねいに考えましょう。
 
20)永遠の少年を喰らうグレートマザーは、少年の成長を促す「命の働き」を憎み、嫌悪します。
成長力や命の力を、羨望することもままあります。
人が心理的成長、成熟、変容を遂げるには、グレートマザーとの真摯な取り組みが、欠かせません。
 
21)さもなければ、永遠の少年性や自己愛構造体に捕らえられた人は、自分の能力、可能性、才能を発揮することができずに、フラストレーションを抱え、半永久的に苦悩することでしょう。
そして、肉体は年老いているのに、若さに憑りつかれたその心は、未成熟で、貧弱なまま中高年期、老年期を迎え、心ここにあらずの状態で、ボーッと過ごすことになるでしょう。
(「チコちゃんに叱られ」かねません)
 
22)魔法をかけることのできる魔女は、魔法を解くこともできます。
セミナーでは、フォン・フランツ(魔女)とクライン(小さな黒い猫)との出会い、じゃれ合い、遊びを通して、永遠の少年および自己愛構造体と、まっすぐに取り組みます。
 
23)あなたは、青年期はもちろん、中高年期、老年期の内面に住み着き、心の真の成長、成熟、命の活性化を阻む「永遠の少年」×「自己愛構造体」との取り組みに、関心がありますか?
このセミナーは、可能性や命の開花、成長、成熟、変容に興味のあるあなたに、有益な内容です。
 
24)セラピスト、コーチ、コンサルタント、アドバイザー、ケースワーカー、ナース、医師、保健師、ボディワーカー、弁護士、教育関係者の方、一般の方、初心者の方のご参加をお待ちしています。
 
※当日セミナーにご参加できない方は、USBと資料の形でセミナー内容をご購入いただけます。
※データのダウンロードにて、音声&資料をご購入いただくことも可能です。
※SNSなどを通じて、お知り合いの方に、このセミナーをご紹介いただけると幸いです。   

【開催日時】2023年7月30日(日)10:00~17:00 開場:9:50
  
【開催方法】zoomオンライン会議での開催になります
     (参加お申し込みの方に詳細をお伝えします)
 
 ご自宅のPCやタブレット、スマートフォンなどからの
 オンラインでの受講が可能です。
 
 ※zoomオンラインでのご参加に向けて、
  事前にpdfファイルにて資料をお送りしますので、
  7月28日までにお申し込みください。
 
【講  師】 
  富士見ユキオ
  開業カウンセラーとして、34年目。
  夫婦カウンセラー、ファミリーセラピスト
  臨床心理士
  ファミリービジネス・アドバイザー資格認定保持者
  交渉アナリスト1級 日本交渉協会認定
  相続アドバイザー協議会認定会員
  ニュー ヨーク州立大学卒業(人類学部)
  米国トランスパーソナル心理学研究所に、
  日本人として初めて留学する。MA(修士)
  認定プロセスワーカー
 (日本にプロセスワークを紹介、導入する)
 
 岸原千雅子
  臨床心理士、公認心理師
  「アルケミア」こころとからだの相談室代表
  ファミリービジネス・アドバイザー資格認定保持者
  交渉アナリスト1級 日本交渉協会認定
  相続アドバイザー協議会認定会員
  英国IFA認定アロマセラピスト
  お茶の水女子大学卒業(文教育学部)
  認定プロセスワーク2ndトレーニング教師
  日本ホリスティック医学協会顧問
  日本トランスパーソナル学会理事
 
【参 加 費】20,000円+消費税(10%)
  
※当日ご参加できない方にも、USB&資料の郵送にて、あるいはデータのダウンロードにて、セミナー内容を販売しています。
 
USB(音声データ)&資料購入の場合は、郵送費込で1,800円プラス、
ダウンロード(音声&資料データ)の場合は、手数料(500円)のみのプラスでご提供いたします。
 
 
【お申し込み・問い合わせ先】
インスティテュート・オブ・プロフェッショナル・サイコセラピー
IPP(Institute of Professional Psychotherapy)
IPP事務局(Administration Office)
Mail: 
info@ipp.tokyo(メールアドレスが変わっています)
Fax: 03-5570-2860
 
 
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《今後のセミナーご案内》
2023年
8月27日(日)
9月24日(日)
10月29日(日)
11月26日(日)
12月24日(日)
 
 
《開催中の連続講座・ご案内》
☆「虹の『身体と関係性』」(仮)
開催日:2023年9月22日(金)スタート! 全10回
毎月第4金曜日 19:00〜20:50(10回連続)
 
※セミナー、連続講座とも、USB音声データと資料で、およびデータのダウンロードにてご購入いただけます。(詳細は、お問い合わせください)
 
お問い合わせ・お申込み先 :
インスティテュート・オブ・プロフェッショナル・サイコセラピー
(IPP)事務局
Mail:info@ipp.tokyo
Fax:03-5570-2860
 
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Posted at 17:29