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2023.6.25開催「『大嫌い、でも1人にしないで!』〜高機能境界性パーソナリティ障害の理解と取り組み〜」<Zoom>  [2023年06月13日]
2023年6月25日開催
「『大嫌い、でも1人にしないで!』
〜高機能境界性パーソナリティ障害の理解と取り組み〜」<Zoom>
主催:インスティテュート・オブ・プロフェッショナル・サイコセラピー(IPP)
 
●このような方へお薦め
「自分に確かさを感じられる自分」「自己活性化した自分」「主体性のある自分」の確立について学びたい方
  
 
プロセスワークの日本の第一人者である富士見ユキオ先生と岸原千雅子先生が開催する専門家向けのセミナーのご紹介です。
心理臨床のスキルUpを考えている方にはお薦めのセミナーです。
 
参加を希望される方は、直接主催者へご連絡ください。※ご参加を希望される方は必ず詳細をご確認ください。
 
_____
       主催者からのメッセージ   _____
 
1)今回は、久しぶりに「境界性パーソナリティ障害(boderline personality disorder ,BPD)」を取り上げます。
 
中でもメインテーマは、『高機能(high functional)BPD』です。
境界性パーソナリティ障害に関する「高機能」に的を絞って、セミナーで取り組むのは、今回が初めてです。
実践的で、現場で役立つ内容ですので、ぜひご活用ください。
 
2)かつてBPDは、厄介で取り扱いが難しく、できれば避けたい、と心理の専門家、ケースワーカー、精神科医、心療内科医に言われた時代がありました。
 
現在そうしたことは表立って聞かなくなりましたが、専門家の思いは、それほど大きく変わっていないのではないでしょうか?
理由は、BPDの心の内界およびBPDへの具体的なアプローチが、わからなかったからです。
 
そのため、BPDに対して専門家が防衛的になったり、怖れを感じたり、BPDの人とのかつてのセラピーで経験した傷が癒えていなかったり、BPDに対して被害的になっていたりするためです。
 
3)ここ数十年の間に、精神分析やユング心理学の新しい流れ、関係療法の登場、弁証法的行動療法、家族療法、アタッチメント理論や脳科学の知見と臨床実践の積み重ねによって、良質なアプローチが続々登場しています。
 
しかし、「高機能」境界性パーソナリティ障害(HFBPD)への具体的取り組みを知らない専門家は少なくありません。
日本で話題にされてきたBPDは、ほとんどが「重篤で」『低機能(low functional)』(LFBPD)のものです。
厄介もの扱いされてきたのは、LFBPDだったのです。
 
4)「高機能」でも、BPD(境界性パーソナリティ障害)に苦しむ人は少なくありません。
 
思春期、青年期に当たる中学生、高校生、大学生でも、あるいは職場で働く大人にも、HFBPDに悩む人、苦しむ人は相当数います。
他の精神疾患や心理的問題と見間違われるケースもままあります。
 
5)「高機能」BPDは、「高機能」依存症や「成功」依存症の中にも、かなり潜在しています。
 
あなたは「高機能依存症」や「成功依存症」について聞いたことがありますか?
(注:以前「高機能依存症」をテーマとしたセミナーを開催しました。ご関心のある方は、事務局までお問い合わせください)
 
6)高機能BPDの人は、BPDの問題を「隠すこと」ができます。
 
ですので、「隠れBPD」とも言えるでしょう。
隠れBPDの人は、周囲にいる人を、ひどく混乱させます。
振り回すからです。
 
7)ジェームズ・マスターソンによると、BPDの「低機能」は「呑み込まれる(取り込まれる、縛られる)恐怖」を、「高機能」は「見捨てられる恐怖、不安、抑うつ」を、心の中心テーマとして抱えています。
 
日本で取り扱われてきたBPDは低機能で呑み込まれる不安が中核にあったのですが、高機能の見捨てられ不安に基づいて解釈され、アプローチされてきました。
それが、境界性パーソナリティ障害をより難しく見せ、取り組みを混乱させてきた理由の1つです。
(注:「呑み込まれる恐怖」は、自己愛性やスキゾイド性のパーソナリティ障害にもよく見られます。
今回、これら2つの「のみ込まれる恐怖」と、低機能BPDの「のみ込まれる恐怖」との違いについても学びます)
 
8)セミナーでは、「低機能ののみ込まれる恐怖」と、「高機能の見捨てられる恐怖」とを「見分けるポイント」を整理してわかりやすくお伝えします。
 
高機能BPDの他の『防衛法』は、「しがみつき」「否認」「回避」「リセット」です。
あなは、BPDの防衛としてのしがみつき、否認、回避、リセットについて、聞いたことがありますか?
「防衛」は、とりあえず / 一時的に心を守りますが、心の進展を停止し、停滞を生みます。
中長期的に心の成長を阻み、人生を蝕みます。
 
9)BPDの人は、「あなたのこと大っ嫌い!」と言いたくても言えません。
 
そんなこと言うものなら、見捨てられて奈落の底まで落とされるのではないか、と内面で脅えているからです。
見捨てられて独りぼっちになるのでないか、という苦しみは底無しに思えるからです。
だから、「大っ嫌い」と言えないし、言えないどころか、そう想うこと / 考えることすらままなりません。
 
10)問題をより難しくするのは、「あなたのこと大っ嫌い」に続けて、「でも離れないで」という想いに、内心駆られているためです。
 
「嫌い」と「でも離れて私を1人ぼっちにしないで」という矛盾した2つの想いが、心に潜在します。
「嫌い」と「離れないで」という想いは、2つで1つの「矛盾あるワンセット」です。
 
しかし、この矛盾を矛盾のまま心に留めておけず、どうすればいいかわからなくなって、混乱し、苦悩します。
それは、相手を「拒絶」し、拒絶したかと思うと、相手に「しがみつく」という悪循環に帰結したりします。
 
11)あるいは、「矛盾のワンセット」を心に抱えることができないため、矛盾のワンセットの中の「大っ嫌い」の側面を行動化(acting out)し、それまで時間をかけて築いきた関係を、自分から「さっさと / あっという間に」切ってしまったりします。
 
関係をゼロ(無し)にしてしまいます。
心を鈍感にし、麻痺させて。
いつもの自分は「見捨てられる」のが不安で怖かったのに、この時の自分は「見捨てる側」になっています。
 
12)にもかかわらず、自分は「見捨てられた側」にいる気でいます。
 
そして、被害者、犠牲者意識に苦しみます。
これを放置していると、キリコゲールやニーチェのいう「ルサンチマン(憎悪、うらみ、怨念)」が生まれます。
 
13)心を麻痺させ、関係を自分から切って、見捨てる。
 
HFBPDの人は、それを、人生の中で、親密な人や大切な人に対して、繰り返し行ってきた歴史を持っています。
しかし、「その歴史」は身にならず、経験になりません。
経験や歴史から学ぶこと無しに、また『リセット』して、同じ失敗を何度も繰り返します。
悩んだり、葛藤したりする力が「弱かったり、欠如していたり」するからです。
 
14)「大嫌い、でも見捨てないで、一人にしないで!」という矛盾や葛藤には、『甘えの構造』の著者で精神科医、土居健郎氏の「甘えたくても甘えらえない」が、ど真ん中のテーマとしてあります。
 
「甘えられない」は、土居氏によると、「私がいちいち言葉にしなくても、私のことわかって! 私より私のことわかって、愛して」という「甘え」と表裏一体です。
それは、精神分析家マイケル・バリントの「受身的愛」です。
 
15)「甘えたくても甘えらえない」や高機能BPDの見捨てられ不安や抑うつが克服できていないと、人は自分らしい人生を送れません。
 
心に暗黙裡に「ブレーキ」がかかって〜いや、ブレーキを自分でかけて〜、自分の欲するものを『自ら』諦めるからです。
HFBPDの人には、優秀な人がたくさんいます。
その人は、才能や可能性を秘めていたり、たくさんの資格を持っていたり、すばらしい経歴を携えていたりします。
にもかかわらず、自己表現、自己実現できません。
 
16)BPDの理解に多大な貢献をしたマーガレット・マーラーの心の発達図式によると、HFBPDの人は、「個体化(individuation)期」の寸前で、行き詰まり、成長を止めてしまいます。
 
落ち込み、ふさぎ込みます。
自己活性化を止め、抑うつ的になります。
いいものを持っているのに、それを自己表現したり、実現したりできない。
イライラやフラストレーションが溜まります。
 
17)BPDの見捨てられ不安は、「裏切者」「恩知らず」「親不孝者」などと言われることへの罪悪感や、「村八分」や「ボッチ」になったり、されたりすることへの恐れや心配を引き起こします。
 
それを避けるために、自分をくじき、嘘をつき、「偽りの自分」を育成してしまいます。
この自分は、委縮していて、自分を小さく卑小に見せるものです。
不必要に自分を卑小化する不当な自分は、内面に、殺意を伴う怒り、自殺念慮、抑うつ、パニック、絶望、無力、消滅、空虚を、秘めています。
 
18)そうした困難な気持ちをごまかす方法が、インスタントで即座に快楽や満足をもたらすアルコール、セックス、摂食、買い物、ゲーム、ギャンブルへの耽溺や、日本人によくある、仕事への過度な没頭(=逃避)です。
 
これらは、心の「防衛」です。
「委縮した偽りの自己」は、「快楽を即時的に求める自己」に容易に反転します。
 
19)BPDの治療で最も有名なのは、O.カーンバーグとJ.マスターソンです。
 
カーンバーグは、低機能で重症のBPDを対象としました。
彼は、LFBPDの中核には、「生得的素因」があると考えます。
一方、マスターソンは、低機能と高機能と両方のBPDに積極的に関与しましたが、HFBPDを(生得的素因からでなく)「環境的要因」から考えました。
 
20)彼は、HFBPDの養育者〜たとえば母親〜は間違いなくBPDで、この養育者の提供する「マイナス環境」が、子どもをBPDにする、と仮定したのです。
 
マスターソンの考え方は、世代をまたいで継承されるとする仮説で、ファミリーセラピーの考え方と相通じるものです。
 
21)セミナーでは、カーンバーグやマスターソン以外にも、「自己心理学」「メンタライジング」「弁証法的行動療法」「アタッチメント理論」「家族療法」「トラウマ・モデル」を参照します。
 
22)HFBPDの心の中核テーマは、「人間関係」にまつわる複雑性トラウマや「見捨てられ抑うつ」です。
 
その心は、壊れやすい「グラス」や「卵の殻」などに譬えられます。
HFBPDの人は、「揺れ動く不安定」な関係性に苦しみます。
自分の心が脆弱で容易に変動し、混乱しているからです。
 
23)あなたは「見捨てられ抑うつ」が、本当のところどのようなものか、ご存知ですか?
 
『健康な』心の状態、といわれたら驚きますか?
セミナーでは、「健康な心の状態の見捨てられ抑うつ」について、しっかりと学びます。
その抑うつと「病的うつ状態」との違いについても、わかりやすくお伝えします。
 
24)今回、自己価値や自己評価の低さ、忍耐力の無さ、不必要な頑固さなどで、親密な関係、職業上の関係、自己活性化、自己確立に問題を抱え、苦しんでいる高機能BPDに着目します。
 
中身は、セラピストやカウンセラーはもちろん、コーチ、コンサルタント、ナース、ケースワーカー、ボディワーカーの人にもお勧めです。
 
25)セミナーは「『大嫌い、でも1人にしないで!』(I hate you, but don’t leave me alone)〜高機能境界性パーソナリティ障害(HFBPD)の理解と取り組み〜」
です。
 
そして「自分に確かさを感じられる自分」「自己活性化した自分」「主体性のある自分」の確立、あるいは「個体化(individuation)」がテーマです。
セラピスト、コーチ、コンサルタント、アドバイザー、ケースワーカー、ナース、医師、保健師、ボディワーカー、弁護士、教育関係者の方のご参加をお待ちしています。
 
※当日セミナーにご参加できない方は、USBと資料の形で、セミナー内容をご購入いただけます。
※データのダウンロードにて、音声&資料をご購入いただくことも可能です。
※SNSなどを通じて、お知り合いの方に、このセミナーをご紹介いただけると幸いです。   

【開催日時】2023年6月25日(日)10:00~17:00 開場:9:50
  
【開催方法】zoomオンライン会議での開催になります
     (参加お申し込みの方に詳細をお伝えします)
 
 ご自宅のPCやタブレット、スマートフォンなどからの
 オンラインでの受講が可能です。
 
 ※zoomオンラインでのご参加に向けて、
  事前にpdfファイルにて資料をお送りしますので、
  6月23日までにお申し込みください。
 
【講  師】 
  富士見ユキオ
  開業カウンセラーとして、34年目。
  夫婦カウンセラー、ファミリーセラピスト
  臨床心理士
  ファミリービジネス・アドバイザー資格認定保持者
  交渉アナリスト1級 日本交渉協会認定
  相続アドバイザー協議会認定会員
  ニュー ヨーク州立大学卒業(人類学部)
  米国トランスパーソナル心理学研究所に、
  日本人として初めて留学する。MA(修士)
  認定プロセスワーカー
 (日本にプロセスワークを紹介、導入する)
 
 岸原千雅子
  臨床心理士、公認心理師
  「アルケミア」こころとからだの相談室代表
  ファミリービジネス・アドバイザー資格認定保持者
  交渉アナリスト1級 日本交渉協会認定
  相続アドバイザー協議会認定会員
  英国IFA認定アロマセラピスト
  お茶の水女子大学卒業(文教育学部)
  認定プロセスワーク2ndトレーニング教師
  日本ホリスティック医学協会顧問
  日本トランスパーソナル学会理事
 
【参 加 費】20,000円+消費税(10%)
  
※当日ご参加できない方にも、USB&資料の郵送にて、あるいはデータのダウンロードにて、セミナー内容を販売しています。
 
USB(音声データ)&資料購入の場合は、郵送費込で1,800円プラス、
ダウンロード(音声&資料データ)の場合は、手数料(500円)のみのプラスでご提供いたします。
 
 
【お申し込み・問い合わせ先】
インスティテュート・オブ・プロフェッショナル・サイコセラピー
IPP(Institute of Professional Psychotherapy)
IPP事務局(Administration Office)
Mail: 
info@ipp.tokyo(メールアドレスが変わっています)
Fax: 03-5570-2860
 
 
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《今後のセミナーご案内》
 2023年
7月30日(日)
8月27日(日)
9月24日(日)
10月29日(日)
11月26日(日)
12月24日(日)
 
 
《開催中の連続講座・ご案内》
☆「心の変容のためのスピリチュアル&神秘主義的ナラティブ(物語)
〜コンテイナーとしての『蛹(さなぎ)』探し〜」
開催日:2022年10月28日(金)スタート! 全10回
毎月第4金曜日 19:00〜20:50(10回連続)
 
※セミナー、連続講座とも、USB音声データと資料で、およびデータのダウンロードにてご購入いただけます。(詳細は、お問い合わせください)
 
お問い合わせ・お申込み先 :
インスティテュート・オブ・プロフェッショナル・サイコセラピー
(IPP)事務局
Mail:info@ipp.tokyo
Fax:03-5570-2860
 
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Posted at 18:32