2022年6月19日開催
「イネブられた子どもたち」の回復と成長
~奪われた「失敗」と「練習期」を取り戻す~」<Zoom>
主催:インスティテュート・オブ・プロフェッショナル・サイコセラピー(IPP)
●このような方へお薦め
「共依存」「依存」の家族関係について学びたい専門家の方
家族支援、子育て支援の専門家
心理カウンセラー、セラピストの方
プロセスワークの日本の第一人者である富士見ユキオ先生と岸原千雅子先生が開催する専門家向けのセミナーのご紹介です。
心理臨床のスキルUpを考えている方にはお薦めのセミナーです。
参加を希望される方は、直接主催者へご連絡ください。※ご参加を希望される方は必ず詳細をご確認ください。
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主催者からのメッセージ _____
主催者からのメッセージ _____
1)タイトルにある「イネブられた」は、私たちの造語です。
「イネイブラー(enabler)」という、依存症の支え手を示す用語と、「舐める」「しゃぶる」を意味する「ねぶる」という言葉を組み合わせるところから、生まれました。
イネブる親は、子どもが幼いころから、たとえばこんなふうに言います。
「ダメよ、そんなバカなことしちゃ、いけません!」
「ママのいい子は、こんなことしないわよね」
「あらあら、ダメねえ、こうしなさい!」
学校に上がるころには、こんなふうにイネブります。
「どうしてこんなこともわからないのか!」
「次のテストは、100点じゃなきゃダメよ!」
「どうせおまえはできないんだから、いいからかしなさい!」
「ああいう子と、遊ぶんじゃありません。おうちにいなさい」
「イネブられた子どもたち」は、こうして、自分固有の「練習」もさせてもらえなければ、ましてや「失敗」をすることなど、決して許されませんでした。
2)イネイブラーは、「共依存者」です。
アルコールやギャンブルなどの依存者の傍らで、一見、相手を助けるかのように存在しています。
しかしその実、相手を自分に依存させ、依存症を慢性化、長引かせ、自分がいなくては生きていけないように、巧妙に相手を骨抜きにする隠された「コントロール(支配、操作)欲求」をもっています。
にもかかわらず、同時に、相手を軽蔑し、見下し、恨み、つらみ、憎み、憤(いきどお)り、バカにしています。
イネイブラーは、依存症者の一見被害者です。が同時に、依存症の協力者であり、加害者、共謀者、共犯者です。
3)「ねぶる」ところから共依存に陥っている「(未成熟な)親」と「子ども」との関係に着目するのが、今回のテーマです。
「イネブル親」と「イネブられる子ども」からなる関係とは、どういったものでしょうか?
たとえば、「金」を請求する子どもに、その都度、金を渡す親がいたとします。
お金をとられるのはキツイ、やめたいと思います。しかし、それは心を贈る、心を使うことより、実はずっと楽です。
すると、子どもは短期的満足を得ます。が、中長期的には骨抜きになります。
子どもは、早晩、親(の援助)無しではやっていけなくなり、親に依存し、支配、操作されることになります。
親は、金を渡しながら、「いつか、親の気持ちをわかってくれる」という甘い期待を抱くかもしれません。
が、子どもの心を腑抜けにし、根腐れさせていることに目が向きません。
期待しても、心を贈らず金を渡し続けるなら、子どもの骨抜きに、加担することになるだけなのに。
こういった親子関係から、家庭内暴力が生じることは、少なくありません。
その子どもは、「イネぶられた子ども」です。
4)ここでいう「金」は、物理的なものに限りません。
「エリート(優秀)意識」「甘ったれ」「傲慢さ」のミックス(混合)からなる、心の無い「自己愛構造体」も指します。
(未成熟な)親が、子どもの心を腑抜けにし、その代わりに、金ピカの自己愛構造体を与えます。
それを贈られ、コントロールされた子どもは、表面上イケてるように見えます。
が、金や自己愛構造体という砂糖漬けによって、心の中身は根腐れします。
それが「イネぶられた子ども」(の内実)です。
5)私たちは、ファミリービジネス(ファミリー会社)支援を行っていますが、「イネブル親」と「イネブられる子ども」の関係で苦しんでいる家族は少なくありません。
が、それはファミリービジネスに限りません。
あちらこちらで見られます。
6)ここで、マーガレット・マーラーの発達論から、考えます。
彼女は、生後9〜14か月間を「練習期(practicing)」と命名しました。
それは、子ども(乳幼児)が、身体の飛躍的成長を遂げ、2足(独立)歩行できるようになる時期です。
独歩できるようになった子どもは、養育者から離れ近くを動き回って探索、冒険します。
が、離れたかと思うと安心、安全を求めて養育者の下に戻って来ます。
安心感とエネルギーとを補給してくれる「安全基地(=養育者)」が、必要だからです。
その安全基地が、適度な質の良さを維持していると、子どもは養育者から離れ「近くの世界との浮気(=探索、冒険)」を経験できます。
養育者を依存基盤としながら、外界へ能動的に関わることをするのです。
探索や冒険を繰り返し、子どもは練習期を味わい、謳歌し、経過していきます。
すると、心の内界で、健康な自己(イメージ)が分化し/出来始めます。
7)子どものその過程を応援できる母性が、「健康な母性」です。
このころの子どもにとって、父親にも母親にも必要な、健康な養育者の性質です。
それは、「行動失敗許容力」を持っています。
子どもの健康な成長や自律/自立には、子どもが依存している自分(=養育者)から離れて、自分以外の「近くの世界」と「浮気すること」、また、心の内面で(自分/養育者のそれとは異なる)自己イメージが
育ち始めるのを『許容する力』です。
(注:「母性」は、母親だけでなく父親にも、また、出産経験のない女性、男性にも、潜在しています)
8)行動失敗許容力の無い(未成熟な)母性の下で、子どもは「練習期」を『はく奪』されます。
すると、失敗できません。
行動を自由に起こせません。
「練習期」という心の成長発達に必要な『舞台』を失っているからです。
舞台が無いと、チャレンジできません。練習できません。
9)だから、成功だけを希求します。
失敗、間違い、あやまちの無い完璧、優秀/優等、理想だけを良しとします。
練習期は、「依存可能な安全基地と、周囲の世界との浮気、探索、冒険」からできていました。
それがないと、金ピカでイケてる「自己愛構造体」を持つことにならざるを得ません。
失敗すると、何よりも辛い『恥トラウマ』を、負うからです。
それが痛すぎて、子どもは行動を起こさなくなり、引きこもりになるかもしれません。
10)自己愛構造体は、ドナルド・ウィニコットのいう「偽りの自己」です。
そこには、「過酷な超自我」という未成熟な母性フィギュアが絡みついています。
それは、たびたび恐ろしい魔女イメージで象徴されます。
なぜなら、魔女は「練習期」を憎み、羨望し、破壊したい貪欲さに、まみれているからです。
未成熟な母性フィギュアは、子どもが、心の内界で自己を分化/育成しない限り、カワイガリます。
子どもが自分の一部である限り、傘下にある限り、OKです。
このフィギュアのもとで、子どもは偽りの自己から「本当の自己」へと成長を遂げることができません。
11)自己愛構造体の内実は、練習期を喪失し、チャレンジや失敗を奪われた、貧困で荒廃した空虚な状態です。
行動を禁じられ、チャレンジしたり、失敗したりしたことがないので、回復(レジリエンス)経験が(少)なく、自信やサバイバル能力がありません。
それが、「イネぶられた子ども」(の内面)です。
劣等感、不安、恐れをいつも抱えています。
12)その子どもは、将来、自己愛性パーソナリティ障害の痛みに苦しみかねません。
子どもを思い通りに、自分の一部、傘下に置く毒魔女は自己愛障害ですが、子どもも自己愛障害をわずらうでしょう。
世代間連鎖です。
13)ちなみに、日本には、失敗、間違い、誤りを過度に恐れ避ける
「隠れ自己愛」や隠れ自己愛を内包した「過剰適応障害」「アダルト・チルドレン」が少なくありません。
それには、今回のセミナーのテーマである、練習期と失敗のはく奪が、関係しています。
14)さて『先の先を読む思考法』の著者で、投資運用家の藤野英人氏が、グローバル・インド・インターナショナル・スクール(GIIS)というインド系エリート校を視察したときのこと。
「Make Mistakes(たくさん失敗しなさい)」と書かれたポスターが、壁に貼られていたと言います。
「失敗を気にするな、ドンマイ」でもなく、「失敗から学びなさい」でもありません。
『たくさん失敗すること!』それが、目的であり、手段だといいます。
「Make Mistakes」の背景にあるのは、失敗を奨励する、というよりも「失敗していないのは良くない」というメッセージだ、と藤野氏は言います。
むしろMistakeしていることが、「新しいこと、難しいことをしている証」なのだ、と。
15)が、それを可能にするには、「練習期」への眼差しが欠かせません。
練習期を「取り戻すこと」。
「豊穣な」練習期を耕し、育成すること。
それには、過酷な超自我、毒親/魔女、練習や行動や失敗に伴う「恥トラウマ」などと取り組むことが求められます。
16)このセミナでは、子どもの成長、独立を願って、子どもが依存している自分(=養育者)から離れて「近くの世界と浮気すること」あるいは「Make Mistakes(たくさん失敗しなさい)」の実践と、
心の内面で(自分/養育者と異なる)自己イメージが育ち始めるのを『許容する力』とについて取り上げます。
17)1番の問題は、失敗「しない/できない」ことです。
「失敗経験」の「無い/少ない」ことです。
それでは、現場で使える実践力、行動力、臨床力は身に着きません。
このセミナーでは、「イネブられた子どもたち」の回復と成長〜奪われた「失敗」と「練習期」を取り戻す〜をテーマとします。
18)あなたのクライエントには、「練習期」と「失敗」とをはく奪され、苦しんでいる人はいませんか?
あなたの心には、「練習期」を味わい、謳歌し、「経験から学ぶ」欲求はありませんか?
もし、"Yes"であれば、今回私たちとご一緒に、このテーマとぜひ取り組みませんか?
良質でわかりやすい具体的ケースをご用意して、あなたとご一緒に学びます。
※当日セミナーにご参加できない方は、USBと資料の形で、セミナー内容をご購入いただけます。
※データのダウンロードにて、音声&資料をご購入いただくことも可能です。
※SNSなどを通じて、お知り合いの方に、このセミナーをご紹介いただけると幸いです。
【開催日時】2022年6月19日10:00~17:00 開場:9:50
【開催方法】zoomオンライン会議での開催になります
(参加お申し込みの方に詳細をお伝えします)
ご自宅のPCやタブレット、スマートフォンなどからの
オンラインでの受講が可能です。
※zoomオンラインでのご参加に向けて、
事前にpdfファイルにて資料をお送りしますので、
6月17日(金)までにお申し込みください。
【講 師】
富士見ユキオ
開業カウンセラーとして、33年目。
夫婦カウンセラー、ファミリーセラピスト
臨床心理士
ファミリービジネス・アドバイザー資格認定保持者
交渉アナリスト1級 日本交渉協会認定
相続アドバイザー協議会認定会員
ニュー ヨーク州立大学卒業(人類学部)
米国トランスパーソナル心理学研究所に、
日本人として初めて留学する。MA(修士)
認定プロセスワーカー
(日本にプロセスワークを紹介、導入する)
岸原千雅子
臨床心理士、公認心理師
「アルケミア」こころとからだの相談室代表
ファミリービジネス・アドバイザー資格認定保持者
交渉アナリスト1級 日本交渉協会認定
相続アドバイザー協議会認定会員
英国IFA認定アロマセラピスト
お茶の水女子大学卒業(文教育学部)
認定プロセスワーク2ndトレーニング教師
日本ホリスティック医学協会顧問
日本トランスパーソナル学会理事
※当日ご参加できない方にも、USB&資料の郵送にて、あるいはデータのダウンロードにて、セミナー内容を販売しています。
USB(音声データ)&資料購入の場合は、郵送費込で1,800円プラス、
ダウンロード(音声&資料データ)の場合は手数料(500円)のみのプラスで、
ご提供いたします。
【お申し込み・問い合わせ先】
インスティテュート・オブ・プロフェッショナル・サイコセラピー
インスティテュート・オブ・プロフェッショナル・サイコセラピー
IPP(Institute of Professional Psychotherapy)
IPP事務局(Administration Office)
Mail: info@ipp.tokyo(メールアドレスが変わっています)
Fax: 03-5570-2860
Mail: info@ipp.tokyo(メールアドレスが変わっています)
Fax: 03-5570-2860
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《今後のセミナーご案内》
2022年
7月24日(日)
8月28日(日)
9月25日(日)
10月30日(日)
11月27日(日)
《新連続講座のご案内》
☆「意思決定の臨床心理/思想学〜I decide who I am〜」
開催日:2022年7月14日(木)スタート
毎月第2木曜日19:00〜20:50、全10回
《開催中の連続講座・ご案内》
☆「錬金術的家族療法〜見えない家族の「宝」を見える化する試み〜」
開催日:2022年1月7日(金)スタート
毎月第1金曜日19:00〜20:50、全10回
☆「クリニカル・ディヴィネーション 〜運と縁と偶然を生きる心理学〜」
開催日:2021年10月22日(金)スタート
毎月第4金曜日 19:00〜20:50、全10回
※セミナー、連続講座とも、USB音声データと資料で、およびデータのダウンロードにてご購入いただけます。(詳細は、お問い合わせください)
お問い合わせ・お申込み先 :
インスティテュート・オブ・プロフェッショナル・サイコセラピー
(IPP)事務局
Mail:info@ipp.tokyo
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Posted at 12:41