2020年5月31日開催
「境界(バウンダリー)心理学入門」セミナー<東京>
主催:インスティテュート・オブ・プロフェッショナル・サイコセラピー(IPP)
●このような方へお薦め
境界線心理学にご興味のある心理職の方
プロセスワークの日本の第一人者である富士見ユキオ先生と岸原千雅子先生が開催する専門家向けのセミナーのご紹介です。
境界線心理学の視座から人との境界線について学びます。ご興味のある方は、ぜひ、ご参加ください。
今回のセミナーは、Zoomオンライン会議での開催となります。
お申し込みは先着順です。
参加を希望される方は、直接主催者へご連絡ください。
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主催者からのメッセージ _____
主催者からのメッセージ _____
1)あなたに質問します。
他の人との間に、自由に「境界線(boundary、バウンダリー)」を引くことができますか?
それとも、「自分勝手と思われるのではないか」、「相手の怒りを呼び起こすのではないか」と怖れ、心の境界の明示を躊躇してしまっていませんか?
あるいは、見捨てられる不安に圧倒されそうになって、「これ以上は無理!」という思いをガマンしてしまっていませんか?
2)今回のセ ミナー・テーマは、「境界(線)」です。
境界は、心理学の中核テーマです。
たくさんの心理学が、「境界」からクライエントの訴え、悩み、課題、症状を考察しています。
3)たとえば、境界性パーソナリティ障害の治療に関する第一人者、J.マスターソンの「見捨てられ不安」。
家族療法、M.ボーエンの「融合と自己分化」。
人の暗黙の期待に安易に巻き込まれない「私」作りを強調したF.パールズのゲシュタルト療法。
「精神病」と「非精神病」との内的境界に着目し、
「考えること(thinking)」を重視したW.ビオンの新・対象関係論。
「共依存」「アダルトチルドレン」の理論。
その他多くの心理学が、境界を、心の健康、成長、成熟の 指標としています。
4)境界について、次のやり取りから考えてみましょう。
ある夫婦が子どものことで、相談に来られました。
「息子は30歳を過ぎても、仕事につかずブラブラして、やることといえばゲームばかり。
私たちは、子どもが苦労しないように、必要なものは何でも買い与えてきました。
高校を中退するといったときも自主性を重んじよう、代りとなるいい学校(フリースクール)があるかもしれない、
と考え、反対しませんでした。
いま息子は、『問題は自分ではなく、パパとママにある』と繰り返します。
先生、息子を何とかしていただけませんか?」
5)セラピスト「息子さんが正しいかもしれません」
両親「エッ?」(一瞬 、絶句し沈黙する)
父親「先生は、息子でなく、私たちに問題があるとおっしゃっるのですか?」
セラピスト「息子さんは、学校に行きたくなくて退学する。
ブラブラしたければブラブラする。
ゲームをしたいときは、ゲームをする。
お2人が、『子どもが苦労しないように』と育て、当の息子さんは苦労しない生き方を身に着けました。
ご両親の思い通りに育ちました」
再び沈黙する2人。
セラピスト「問題は、お2人が息子さんの課題を引き受け、肩代わりしてしまった点ではないでしょうか?
行きたくなくなって退学する、ブラブラしたければブラブラする。
その行動の裏に、息子さんご自身の心の成長課題、それに伴って浮上する心的苦痛や悩 みがあるのに、よかれと思って、彼の課題、痛み、苦悩を先回りして奪い取り、除去してしまったのではないでしょうか?」
父親「息子には、私たちが経験した苦労はさせたくないんです。せめて、大学、いや高校は卒業してほしいんです」
セラピスト「大切なことは、息子さん自身の成長課題、自分で引き受けなければならない心の痛み、苦しみをまずは息子さんにお戻しすることだと思います」
母親「それは息子に酷ではないでしょうか?あの子はやさしいいい子で、十分苦しんできたと思います。息子を援助してやりたいんです」
セラピスト「彼の課題を肩代わりし、助けてあげて役に立ちましたか?」
6)息子と両親との間に、「境界線」がないケースの 典型例です。
話を聴くと、息子は、成長過程に伴う痛みや苦労と向き合い心の筋肉を着ける機会を(繰り返し)失ってきたようです。
息子の試練や難儀を、親が善意からことごとく奪い取り、消去してきたためです。
親の過保護、過干渉に、息子も加担し、親と子の間で共犯関係に陥っていました。
親子間に「健全な境界(線)」がなく、親は子どもの課題に、その都度、首を突っ込んでいたのです。
息子は成長することなく、30歳を過ぎても両親を「ママ、パパ」と呼んで人のせいにする幼いマインドの持ち主でした。
7)親子(世代)間の境界のあいまいさに、家族療法のS.ミニューチンやM.ボーエンは着目するでしょう。
この家族には、自己愛のテ ーマが潜在している、と病態水準論のO.カーンバーグであれば、言うでしょう。
ユング心理学は、グレートマザーに呑み込まれた家族、と見立てると思います。
一方、親子間および夫婦間の共依存関係から考える立場もあります。
精神分析のE.エリクソンは、息子の「アイデンティティ」の未確立(拡散)について話題にするのではないでしょうか?
8)それぞれの流派が異なった切り口から問題の核心に迫っていきます。
しかし、流派を超えて共通している点が1つあります!
何でしょう?
「境界(線)」への視座です。
今回、その「境界(バウンダリー)」に、着目していきます。
9)健全な境界が築けると、あなたの日々の暮らしはは っきりとした確かなものになります。
自分ができること、できないことが明確になります。
自分の限界が明らかになると、自己効力感、自己信頼感(自信)を抱きやすくなります。
無理とウソのない、身の丈に合った・等身大の自分が把握できるからです。
心の健康さを内面で実感できるようになります。
充実(足)感が増します。
自分が引き受け対処すべき真の課題がクリアになります。
10)一方、健全な境界線が引けなかったり、あいまいだったりすると、次のようなマイナスなことが生じかねません。
他人から、心に不法侵入されかねない。
パワハラ、モラハラ・・・といった各ハラスメントの被害および加害経験をする危険が高まる。
内的には、心の精神病的圧力に、自我が侵襲(しんしゅう)されやすくなる。
他人に屈辱感を感じながらも、服従しやすくなる。
傲慢不遜さと心の委縮が混合する。
認識・認知にゆがみが生じやすい。
11)では、どうすれば健全・健康な境界(バウンダリー)を築くことができるのでしょう?
これは、限界設定、(抑圧とは異なる)抑制の力、心のブレーキの形成などと深く関係しています。
12)境界線は、父性や男性性の「切断」機能に関係している、と考えられがちです。
が、それに加えて、境界線を「生み、育成する」母性的機能に着目することも欠かせません。
境界や限界やブレーキは、植物を育てるように、長期的な視点に立って、洗練 されたものへと磨いていくことが大切です!
13)健全な境界線が引けずにいると、マイナスなことに「ハイ(Yes )」といい、プラスなことに「イイエ(No)」と言ってしまいがちです。
心の病的側面あるいは乳幼児的側面が、あなたを乗っ取り、心の健康な側面または大人の側面が、排除されかねません。
こうした心の逆転現象は、各種パーソナリティ障害、依存症、共依存症、DV、解離といった中に、たびたび見られます。
健康・健全で大人の成熟した側面が心の中央に来ることができず、気づいたら長期間にわたって、人生を棒に振っていた、ということになりかねません。
14)しかし、大丈夫です。
人生は、いくつになっても、好転させることができます。
私たちは日々のカウンセリング実践を通じて、そう確信しています。
15)が、それには、あなたに合っ た無理のない、健康な境界作りが絶対に必要です。
今回、境界心理学の基本から最先端を、あなたと一緒に学びたいと考えています。
「境界線(バウンダリー)」ご関心のある専門家の方および一般の方、初心者の方、そしてあなたのご参加をお待ちしています。
開催方法:Zoomオンライン会議での開催になります
(参加お申し込みの方に詳細をお伝えします)
ご自宅のPCやタ ブレット、スマートフォンなどからのオンラインでの受講が可能です。
※USB+資料の形で、遠方の方にも、セミナー内容を販売しています。
当日セミナーにご参加できない方も、USBと資料の形で、セミナー内容をご購入いただけます。
※お知り合いの方に、このセミナーをご紹介いただけると幸いです。
【開催日時】2020年5月31日10:00~17:00(開場9:50)
【開催方法】
・Zoomオンライン会議での開催となります。
・ご自宅のPCやタブレット、スマートフォンなどからのオンラインでの受講が可能です。
※Zoomでの参加を希望される方は、事前にpdfファイルにて資料をお送りしますので、5月29日(金)までにお申し込みください)
【講 師】
富士見ユキオ
開業カウンセラーとして、31年目。 夫婦カウンセラー、ファミリーセラピスト、
臨床心理士
ファミリービジネス・アドバイザー資格認定保持者、
交渉アナリスト1級 日本交渉協会認定、
相続アドバイザー協議会認定会員、
ニューヨーク州立大学卒業(人類学部)、
米国トランスパーソナル心理学研究所に、
日本人として 初めて留学する。MA(修士)。
認定プロセスワーカー(日本にプロセスワークを紹介、導入する)
岸原千雅子
臨床心理士、
「アルケミア」こころとからだの相談室代表。
ファミリービジネス・アドバイザー資格認定保持者、
交渉アナリスト1級 日本交渉協会認定、
相続アドバイザー協議会認定会員、
英国IFA認定アロマセラピスト、
お茶の水女子大学卒業(文教育学部)。
認定プロセスワーク2ndトレーニング教師、
日本ホリスティック医学協会理事、
日本トランスパーソナル学会理事。
*USB+資料の形で、遠方の方にも、セミナー内容を販売しています。
【お申し込み・問い合わせ先】
インスティテュート・オブ・プロフェッショナル・サイコセラピー
インスティテュート・オブ・プロフェッショナル・サイコセラピー
IPP(Institute of Professional Psychotherapy)
IPP事務局(Administration Office)
Mail: info@ipp.tokyo(メールアドレスが変わっています)
Fax: 03-5570-2860
Mail: info@ipp.tokyo(メールアドレスが変わっています)
Fax: 03-5570-2860
【申込みフォーム】こちらからも申込可
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《今後のセミナーご案内》
6月28日(日)
8月23日(日)
《開催中の連続講座・ご案内》
●「多次元的リベラルアーツと解放の心理療法」
2019年11月22日(金)スタート
毎月第4金曜日、19:00~20:50、全10回
◎今話題になっているリベラルアーツを、多次元的に、
すなわち「心、魂、スピリチュアリティ」の視座からとらえ直し、
心と魂とスピリチュアリティの解放と自由について学ぶ講座です。
アー トセラピーの技法を駆使して、体験的に理解を深めていきます。
●「ファイナンシャル・セラピー/カウンセリング入門」
2019年10月10日(木)スタート
毎月第2木曜日、19:00~20:50、全10回
◎お金についての個人・家族の悩み、マネー障害について、
ファイナンシャルプランナーとカウンセラーやセラピストが
専門的知と実践を持ち寄り、連携して取り組む新しい分野を
日本で初めて本格的に学ぶ講座です。
老後資金、借金返済、買い物依存、ギャンブル依存、
ゲーム依存や引きこもりの問題、お金の共依存関係、
ファミリービジネス(同族企業)における事業承継や相続、
などなどにかかわる援助職や専門家、また悩みを抱える方々に
学んでいただくまたと ない機会です。
●「家族の発達心理学~変容・再生する家族とは~」
7月5日(金)スタート・開催中
毎月第1金曜日19:00~20:50、全10回(2020年5月まで)
◎家族メンバーの発達段階が、複雑に絡み合う家族という場。
家族システム全体の発達段階も踏まえて理解し、
家族の変容・再生を考える10回連続講座です。
※いずれも、USBと資料の形でご購入いただけます。
(詳細は、お問い合わせください)
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Posted at 17:19