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2014年8月17日開催「ワンデイ・セミナー 第1弾「病態水準(=健康次元)~対人援助職実践の基本を学ぶ~」<東京>  [2014年07月17日]
2014年8月17日開催
「ワンデイ・セミナー
 第1弾「病態水準(=健康次元)~対人援助職実践の基本を学ぶ~」<東京>
 
●このような方へお薦め!
 プロの対人援助職の方
 プロの対人援助職 を目指す方
 初心者OK


プロセスワークの日本の第一人者である富士見ユキオ先生の専門家向けのセミナーのご紹介です。

参加を希望される方は、以下の内容をご確認の上、直接主催者へご連絡ください。

_____
        講師:富士見ユキオ先生からのメッセージ _____
 
 
1)「病態水準(=健康次元)」は、対人援助職を実際に行う上での基本中の基本です。

「病態水準」を学んでいないばかりに、それまで学んだ技法/療法/流派が活きない、それらの良さを実践で発揮できない、ということがままあります。
「病態水準」を理解しているかどうか、が、アマチュアと、専門家(プロ)を分ける一つの大きな指標です。

今回のマンスリー/ワンデイ・セミナーは、
「病態水準」を学び、身に着けることで、みなさまがそれまで学習した各流派のやり方を、実際の現場で役立つように、応援するためのものでもあります。
これから対人援助職を目指す人にも大変有益な内容です。


2)「病態水準(=健康次元)」は、
「心理病理学(psychopathology)」/「異常心理学(abnormal psychology)」から生まれた知見ですが、今から約30年弱前に、私が留学したトランスパーソナル心理学研究所でも、対人援助職の実務・実践に是非とも必要なものと、強く勧められました。
大学、大学院と、繰り返し、この分野に学んでで以来、それは、私たちの臨床実践の核の一つにあります。


3)今回は、今までの「病態水準セミナー」に加えて、以下についても話します。

(A)一つは、ポスト・クライニアンの『軽度自閉症』に対する見方です。
ポスト・クライニアンは、「自閉症圏」を、「精神病圏」よりも、『早期の/重篤な心身的テーマ』と仮定しています。

(B)次に、やはり、ポス ト・クライニアンの、ウルフレッド・ビオンを中心とした、「精神病圏」の捉え方について、学びます。

(C)また、「パーソナリティ障害圏」を、「神経症圏」と、「精神病圏」という、『正反対』の病態水準と比較しながら、深く学びます。


4)「病態水準(=健康次元)」は、『自我(ego)<機能>の健康さ』を中心としたものの見方です。

伝統的プロセスワークは、「自我」という概念を積極的に採用しませんし、「自我」を前提とした「病態水準」の見方を活用しません。
が、それでは、さまざまなクライアントの人のお役には十分に立てない/なれない、と私たちは考えています。

プロセスワークに限らず、人間性心理学や深層心理学の多くの流派が、「病態水準」という視座を、用いていません。
しかし、私たちは、対人援助職の実務/実践に置いて、「病態水準」の切り口は、不可避であり、マストであると理解しています。

「病態水準」を身に着けずして、各現場で、いかに(how)対人援助を、プロとして行うのか/実践するのか、疑問です。
それ程、病態水準の見方は、大切です。
 

5)トランスパーソナル心理学研究所で、
「心理病理学」/「異常心理学」と共に推奨されたのが、「発達心理学(developmental psychology)」です。

それもまた、人間性心理学や、深層心理学からは不評です。
その一方で、その3つの心理学と「病態水準」を、とても尊重しているのが、トランスパーソナ理心理学の元旗手で、統合(的心理)学の提唱者、ケン・ウイルバーです。

私たちの、「病態水準」の見方は、ケン・ウイルバーに近いところがたくさんありますし、参考にさせていただいています。

(注:残念なことに、ウイルバーの、発達心理学的見方に基づいた精神病理学ないしは「病態水準論」についての論文が、翻訳されていません。英語では読めますので、ご関心がある人は、彼の編著に当たって下さい)


6)フロイトの古典的精神分析は、『神経症水準』との関わりから生まれました。

ユングの古典的分析心理学は、『精神病水準』を、基本としています。
二人は、「病態水準の『異なる』患者」を診ていましたので、後に、二人の、心理療法への見解や患者イメージが違って、結果、この二大巨匠が仲違いしたのも今日であれば、理解できます。

当時は、フロイトもユングも、『同じ』病態水準の患者を診ている、と勘違い/誤解していました。
そのためもあって、二人は、袂(たもと)を分かってしまいました。

病態水準の違いによって、患者イメージが違って来る、という点が、 最後まで二人には、はっきりとは、わかっていませんでした。


7)しかし、残念なことに、同じことが、今日の対人援助職の間でも、繰り返されています。

「病態水準」を考慮に入れない、対人援助が、現代でも数多く行われているのです。


8)対人援助職の各流派は、「必ず」、「何らかの病態水準」を、『出自』としています。

例えば、古典的精神分析は、「神経症水準」、古典的分析心理学は、「精神病圏」、対象関係論は、「パーソナ理障害圏」および「精神病圏」、「ユング心理学の元型学派」は、「うつ圏」、「自己心理学」は「自己愛性パーソナリティ障害圏」などです。

※みなさま、ご自分が学んだ流派、ご自分が愛する/関心のある流派は、『どの病態水準』との取り組みから、生まれたのでしょうか?
※是非、調べてみて下さい。ほとんどは、「神経症水水準」かと思います。


9)それぞれの流派が生まれた、つまり「治療のために関わってきた病態水準」が、その流派の『最大の強み/得意領域』です。

逆に言うと、その流派が関わって来て「いない」病態水準と、その流派がプロフェッショナルな関与をすることは、基本的に絶対に無理です。
もちろん、例外はありますが、それはあくまで例外です。


10)たとえば、フロイトは、 とても正直で誠実でしたので、(古典的)精神分析は、「精神病圏」には約立た「ない」、それどころか「有害」である、と、早い段階から、認める発言を/もしています。
(注:それでは、なぜ「精神病圏」を相手にしていたユングとぶつかったままだったのか、という疑問が残りますが、ここでは、書きません)

後に、フロイトは、TA(交流分析)の創始者として有名なエリック・バーンの教育分析家でもあったポールフェダーンに、「精神病圏」の患者の治療を、任せています。
フロイトは、自分のできること、できないことを認め受け入れることのできた成熟した大人でした。


11)そ れに対して、あたかも、自分の流派は、ありとあらゆる病態水準とやれる/治せる、と、豪語する、自己愛障害的つわもの流派があります。

このセミナーは、そうしたナルシシズム的見解に陥らずに、たとえ自分が長年学んできた、自分が大好きな、大事な流派であったとしても、それは、病態水準の中の、ある位置を占めるに過ぎない、という謙虚で、等身大で、当たり前の、捉え方を身に着ける機会です。


12)ポール・フェダーンは、フロイトの古典的精神分析を『真逆』にした実践を試みました。

(A)フロイトが、「抑圧」を『解除/アン・カバー(un-cover)/ブレーク・スルーせよ』、と言 ったのに対して、フェダーンは、『抑圧<できる>ようになるの(カバーリング、covering)を応援する』と述べたのです。

(B)フロイトが、「内面」を強調したのに対して、フェダーンは、「外面/外的生活」をサポートしました。

(A)フロイトの心理学は、「一人心理学」である一方、フェダーンの心理学は、「チーム心理学」でした。

結果はどうなったでしょうか?
フェダーンの治療は、『精神病圏』の患者には、とても効き目がありました。


13)フロイトの古典的心理療法も、最近流行りのアドラーの心理療法と同じく、有効です。

『神経症水準』に対し ては。が、フロイトのやり方は、「精神病圏」には、有益で「なく」、「有害」にさえなります。


14)というように、「病態水準(=健康次元)」の見方/切り口は、
援助をする上で、とても役立つだけでなく、責任あるサポートを実践するためのマスト(must)です。

そうした、対人援助職にとって不可欠な「病態水準の基本/入門」を、1日かけて、一からみなさまにお話しさせていただきます。


15)「軽度自閉症水準」、「精神病水準」、「パーソナリティ障害水準」、「神経症水準」について、それらの基本を学びます。

カウンセラー、セラピスト、コーチ、ファシリテ ーター、プロセスワーカー、アドバイザー、コンサルタント、ケースワーカー、教師、コンサルタントのみなさまに、有益な内容です。

※このセミナーでは、プロの対人援助職の方、プロの対人援助職 を目指す方、今回のテーマにご関心のある初心者の方、一般の方のご参加を歓迎いたします。
 


【開催日時】2014年8月17日(日)10:00~17:00(開場:9:50)


【会場】東京都内赤坂、富士見心理面接室
   (会場が小さいため、定員いっぱいになる可能性があります。
    ご関心がある方は、お早めにお申し込みください。)

【参加費】1日20,000円+消費税(8%)
      ※先着順です。


【講 師】
◎富士見ユキオ

 認定プロセスワーカー
 トランスパーソナル&ホリスティック上級心理カウンセラー
 臨床心理士
 ファミリービジネス・アドバイザー資格認定保持者
 交渉アナリスト2級、
 相続アドバイザー協議会認定会員


◎岸原千雅子
 ミンデル夫妻認定プロセスワークのセカンド・トレーニング教師
 トランスパーソナル&ホリスティック上級 心理カウンセラー
 臨床心理士
 ファミリービジネス・アドバイザー資格認定保持者
 交渉アナリスト2級
 相続アドバイザー協議会認定会員
 英国IFA認定アロマセラピスト



【連絡先】プロセスワーク研究会
     email:qwl03722@nifty.com
     fax:03-5570-2860
Posted at 10:49